女性が弟子入りするということ。

弟子入りというと、皆さんはどんなイメージを抱きますか?

私の女友達に芸人さんに弟子入りしたことがある子がいます。
彼女のエピソードを元に、弟子入りすることについて今日は
語ってみたいと思います。

芸風が好きで、憧れていた芸人の元に弟子入りを許された彼女は、
まず師匠の家に近いところにアパートを借りてもらい、通い弟子と
して師匠のお世話をすることになりました。

かつては師匠の家に住み込んで、身の回りの世話をするお弟子さんが
多かったのですが、今の時代は通い弟子の方が一般的です。
師匠側の家族も気を遣わずに済むからだそうです。

大変だったことはその生活です。
彼女は月々師匠から2万円しかお小遣いを頂けませんでした。
芸を学ぶ邪魔になるからと師匠はアルバイトはしてはならない、と言う
考え方だったので日々の生活が苦しく、貯金を崩して生活していたそうです。
師匠について仕事場まで同行したりすれば、食事を奢ってくれるので
食事の心配はいりませんが、師匠は「鞄持ちなどで女性に荷物を持たせると、
周りの人から、女の子に重たい荷物を持たせて、と揶揄される。」
と彼女の鞄持ちと同行を極端に嫌がり、彼女の仕事は殆どが掃除と洗濯で、
ただ飯にありつけるのは非常に稀だったそうです。

2万円のお小遣いから、光熱費と食費を出すのは非常に大変で、
女性としての必需品を買わなければならないときは、食費を削るしかなかったそうです。
彼女は貯金が底をつきかけたとき、師匠の元を離れ、一般企業に就職しました。

彼女は言います。
弟子入り制度はそばで師匠のすばらしい芸を拝見できるから、絶対に無くしてはいけない。
しかし女性は女性の師匠の元へ弟子入りした方がいい。
女性の生活の大変さや、男性には分からないつらさを理解してもらえるから、と。

その人が好きだからそばで芸を盗みたいという思いだけでは、うまくいかないのが
異性弟子の難しいところなのかもしれませんね。

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